慰霊の日

 67年前の今日は第二次世界大戦の沖縄における、日本軍によるアメリカ軍への組織的抵抗が終結した日である。その後、8月には広島、長崎と相次いで原爆が投下され15日に終戦を迎えたのであるが、沖縄は日本で唯一悲惨な地上戦が繰り広げられ無抵抗の住民十数万人がその犠牲になった土地である。もちろん私はそんな時代を体験した年齢ではないし、生きている年上のきょうだい達の中で年長者の姉も68歳ということで戦争の記憶は無いに等しい。すでに両親は、ここ数年の間に他界してしまい、戦争の記憶は薄れかけてきたようにも思える。ただ、晩年の両親がポツリポツリと少しだけ語ってくれた話を紡いでみると、戦前は比較的裕福であった両親にも戦争での犠牲をしいられる事件はあった。那覇市の中心街に住んでいたので財産はほぼ失ったし、泡盛の造り酒屋を営んでいた母の父親は県外へ疎開せず本島北部へ逃げ、餓えによって死んだと聞かされた。そして撃沈される船の多い中で、幸いにも疎開船で九州に疎開でき終戦を迎えたにも拘らず、可愛い盛りの初子の娘を大分県の田舎で病死させてしまった。その他にも親族そして友人知人に犠牲者があっただろうが聞き出せていない・・・

 そんな沖縄が日本復帰40年の節目を迎えた。しかし、沖縄にある米軍基地は未だにさほど減らず、日本国内の米軍基地の70%以上を占めている・・・

  

 沖縄本島を中心に世界地図を広げると、今住んでいる京都や東京を中心に見る世界地図とは大きく異なる姿が見えてくる。日本本土、中国、台湾、韓国、北朝鮮、東南アジア諸国など東アジアの中心になっているのである。琉球王国時代その立地を最大限に活用して海外貿易で国を潤わせていたのである。東アジアを睨む沖縄の米軍基地・・・もし世界が平和になれば、沖縄は世界の人々が幸せに交流できる心豊かな土地になるのに・・・そういえば少し昔に「武器を楽器に!」と誰か沖縄のミュージシャンが叫んでいたなぁ~  私もそう願い祈る今日の慰霊の日です。

 

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コメント: 2
  • #1

    きたさん (火曜日, 26 6月 2012 00:22)

    「慰霊の日」ってそういうことだったのですね…。
    沖縄の友人や関係者が、日記などにそのように書いているのを読んでいたものの、
    意味をわかっていなかったんです。
    あまりの悲惨さに、想像力の限界を感じます…。
    最後の部分に書いておられるように、地図の中心を変えてみるとほんと、視野が全く変わりますね。そういう視点を持っていたいなと思いました。

  • #2

    ともさん (火曜日, 26 6月 2012 21:03)

     今だから判ったようなこと書いてるけど、高校卒業した春の一人旅で広島に立ち寄ったとき、原爆ドームを背景に写真を撮ってもらった若き日の自分が映っています。何にも判ってなかったな・・・  

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