花火

 花火が上がると夏の終わりも近いかなと思う。この土地に住むようになって14年の歳月が過ぎ去った。連日の体温を超える猛暑の中、暑い暑いと唸ってはいるが、いつも立秋を過ぎるこの時期になると、何か心の片隅に寂しさが湧き上ってくる。今年はオリンピックイヤーで世界中が興奮している。花火もそうだが、そのお祭り騒ぎが終演に近づくと、何かいつも寂しさが込上げてくるものだ。人生もそうで、四季に例えるなら秋口にさしかかる年齢になると、心は若いつもりでも何処かに寂しさが、ふとよぎるものだ。でも、もし今まで必死に取り組んできたことが、老いや死で消え去ってしまうなら、生まれてきた意味とは、いったい何であろう・・・

 お盆。あの世から先祖が帰ってくる。そして送り火と共にあの世に戻っていく。どんな時代でも、そのことを我々は何となく知っている。これだけでも、懸命に生きている意味が繋がってくる。誰も独りでは存在しない。皆が脈々と繋がっている。

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