天分は道具

 今年の初め、若い頃に修行していた店の五周年記念パーティーの模様が映ったDVDが、亡き師匠の奥さんから贈られてきた。

 

部屋を整理していたら、その古いビデオテープが出てきて、業者に頼んでダビングしてもらったとのことだった。

 

さっそく観せて頂いたのだが、なにしろ素人が撮影したもので画面がさかんに揺れ動き、半分ほどで船酔い状態になり(笑)しばらく断念していたのだが、残りを先日やっと観ることができたのだ。

 

画像に映る数々の場面は、ほとんど忘れ去っていたのだが、27年まえ(31歳)の私はやはり今の傾向性とほとんど変わらないことをしていて驚いた。司会進行、雑用、歌う人の為の演奏、そして自身のライブでは、ギターの弾き語りの他に各従業員の形態模写をして笑わせ、場を盛り上げている。

 

人前に出ることは緊張して苦手なはずなのだが、なぜか中学、高校生のころから歌、芝居などの機会を与えられると、下手でもやってしまう(笑)最近やっと気付いたのだが、私は目の前の人が喜んでいる姿が好きなのだな。

 

かといって、プロの歌手や役者になりたいと思ったことは一度もない。何故だろう?そのヒントは十数年まえに音楽療法に興味を持った辺りに答えがあるのではないかと思う。たぶん、身近なところでの人々との触れ合いが、私の生甲斐になっているのだ。

 

二月の後半に、これも27年前に能力開発プログラムの勉強会で知りあって、今も親交のある方の講演会に行って来た。会社勤めを辞め、好きな絵本の無店舗販売から始め、今まで多くの苦難を乗り越えて店を守っている女性だ。この講演で、最も心に残ったのは「絵本は道具です」という言葉である。つまり、絵本は親子のコミュニケーション手段として、各々の家庭環境でボロボロになるまで好きなように使い込めば、あるとき忘れたころに・・・(私の子育てはどうだっただろう・・・?)

 

今朝のことだが、ウォーキングの最中にその言葉の意味と私の好きなこと(音楽、コーヒー、料理、文章など)がリンクした。それは、「好きなことを道具にしよう」ということなのである。つまり、人間は其々の持つ天分を大事に胸の奥にしまって錆びつけるために生きているのではない、どんな些細な特技でも、どんどんコミュニケーションの手段として使い、人々に喜んでもらわなければいけないのではないか・・・

 

来年には還暦。引退のイメージが強いが、それは便宜上で世間が決めた基準だから私は生涯現役を貫く。ボランティアなのか職業なのか、その判断は私に与えられているラフスタイルが自ずと決めること、まずは人の笑顔を見続けよう・・・

 

 

次回は父と師匠が一度だけ出会った場面のことを書いてみたい(驚)  気が変わらなければ(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントをお書きください

コメント: 5
  • #1

    むっちゃん (月曜日, 23 3月 2015 19:11)

    「道具」をどんどん使います!
    そう、使うものですものね。
    人はみな沢山の「道具」を持っているのですね。
    素敵な気付きをありがとうございます!

  • #2

    ともさん (月曜日, 23 3月 2015 21:48)

    いや~ ほんとにいつもありがとうございます。
    みなさんが其々の「道具」を使って、コツコツと創り上げた先には、
    何があるのでしようね?

    ひょっとすると、みんなでひとつのものを創っているのかも?
    楽しみですね!

  • #3

    みさこ (木曜日, 26 3月 2015 12:30)

    道具と言えばこの体も道具ですね。生きている限りこの体を道具として生きていかなければなりません。歳を取る毎にしんどくなるけれど、メンテナンスしながらも何かのお役に立ちたいものです。

  • #4

    むっちゃん (木曜日, 26 3月 2015 13:04)

    先日の投稿、文字化けしてしまいました。
    申し訳ありません!
    再挑戦(笑)

    「ひょっとすると、みんなでひとつのものを創っているのかも?」
    まさに、そうなんだ!と、実感しました。
    そして、出来上がったとき、
    「すでにあったものだった」と気付いたりして。。。

  • #5

    ともさん (土曜日, 28 3月 2015 07:41)

    【みさこさん】
    そうなんです。若いつもりで頑張ると、
    翌日もその翌日も疲れが取れない(笑)
    道具を替えたいけど、最後まで使い切らないと
    いかんもんね!

    【むっちゃんさん】
    再度投稿頂いたので削除しましたが、
    文字化けを初めて見たんでドッキリかと思った(笑)
    そうです「すでにあったもの」を思い出すことが、
    人生なのかも知れませんね・・・

What's New