LCC(格安航空)の魅力

 皆は「旅行」と「旅」の区別をどこでしているのだろう?

 

電車なら新幹線や特急と各駅停車などのいわば鈍行、船ならば豪華客船や高速船と島伝いを行くフェリー、バスならば観光バスと路線バスというところかな?

 

目的地が同じで、速さが求められるのが「旅行」なら、乗り降りのなかで、色々な人生模様を感じられるのが「旅」というところかな・・・

 

そこからすると、飛行機はまさに旅行の代表だと思っていた。ところが、今回の沖縄への帰省には日本のLCC代表格であるピーチを利用したのだが、旅行という概念が覆され「旅」になったのだ。

 

関空からの出発では、巨大で綺麗なターミナルではなく、そこからバスで移動した小振りなターミナル。それでも国際線もあるので、休憩できるようなソファーも完備した綺麗な建物だった。搭乗には雨の中を用意された傘で機体(触れるほど間近に観れる)まで歩かされ、タラップを上り乗り込んだ。キャビンアテンダントは若く華奢なのだが、少ない人数で(そりゃ~ここにコストをかけられんもんねぇ~)非力な女性客の荷物を、背丈より高い棚にポンポンと放り込んでいく様に驚いていると、気がつけば満席!

 

那覇空港からの帰りも面白かった。メインターミナル前からの移動バスは、倉庫の並ぶ中を走っていく。思わず「乗り間違ったか?」と焦るうちに、プレハブの倉庫のようなターミナルへ(そりゃ~こんなところにコストをかけられんもんねぇ~)到着。

 

ターミナルは日本人のほか、リュックの欧米人、団体の中国人など様々。いちばん驚いたのは、喪服を着た高年の夫婦が出発を待っていたことだ、「ちょっと大阪まで焼香を・・・」という感じなのか?そこはまさに路線バスの待合室・・・ 

 

 

沖縄から戻り、図書館でたまたま開いた本のコラムにも「・・・簡素なLCCのターミナルにこそ、飛行機に乗って移動するリアリティが宿っている。・・・あらゆる種類の人がたまたま同じ時間、場所に居合わせているという奇跡。・・・」と表現していた。(気持ちのいい聖地 《関西編》 フェルニッチ=著 青幻舎 より)

 

 

「旅行」のような人生に若い頃から憧れるのだが、行く先々での出逢いに翻弄されながらも、それを楽しんでる人生は、やはり「旅」好みなのかな(笑)・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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