父と師 その1

 今、コーヒーの第3次ブームが到来しているという。私が若い頃に、街のあちらこちらに在った日本の珈琲店、その手作り感を活かしたブルーボトルというアメリカの企業がブームの火付けらしい。

 

その前の第2次ブームは、私が店を廃業する頃の20年ほど前の東京に、スターバックスが、これもアメリカから上陸し、全国に広げている。

 

どうも日本人はアメリカからのブームに弱い(笑)

 

そういう私も少し火が付いたのか(笑)、長年の経験で美味しいコーヒーは淹れられるが、コーヒーその物の知識が古いし、あやふやだ。ここ数年利用している近くの商店街にあるコーヒー豆専門店で、40代の店主の豊富な知識に、いま触発されているところだ。

 

さて、2014/11/9のブログ『マンガもバカにできない!?』の続きになるが、私の師匠(当時40歳?)が弟子(なかには京大出身もいた)を引き連れ独立を果したのは、私がたしか26歳の時であったと記憶している。

 

師匠は辞めた店の前にあるビルの、大通りに面したテナント部分を借り、百人規模の席をコーヒー専門コーナーと食事コーナーに分けての(今までのお客さんをすべて取り込む位の勢い!)の店を作ることにした。工事期間に暫く沖縄に帰省して寛いでいた私は、師匠へのお礼奉公のつもりで、1年間だけ京都に戻らせてくれと、両親に頼み込んだと記憶している。(両親にしてみれば、進学までさせたのに、何で喫茶業なんだという思いだっただろう。ただ、私のようにアルバイト先で師匠に出逢い、大学卒業して喫茶業を出身地の郡山や博多で始めた先輩方はすでにおられた。)

 

飛ぶ鳥を落とす勢いで開店し、師匠は技術的なことを私達に教える以外は、運営に関して自由に取り組ませてくれた。(年末に部屋を整理していた時に出てきた上のチラシは、パソコンが一般には広がってない時代の手書き、あの頃はそれなりの絵は描けていたな~字は下手だけど(笑))しかし、経営とは難しいもので、師匠は常日ごろ「自分は店長の器で、経営者の器ではない」と言っていた。自分の店を持ち、しかも大きな店にレギュラーを5~6人、アルバイトを10人ほど抱えた大所帯は、日々、師匠の心身を疲労させていったと思う。

 

そうこうしているうちに、1年が過ぎ、一向に戻らない息子を案じ、沖縄の父が母を伴って店にやってきた(驚)店の奥の一番上等な席に両親を案内した師匠は、父と対坐した。私は仕事をしながら不安な面持ちで?待っていたと思う。その後の記憶は曖昧だが、話し合いの内容を師匠は語ってくれなかった気がするし、父も私の仕事にいっさい口出しをしなかった・・・

 

数年が経ち、私も30歳にもなると独立など色々な欲望がでるもので、能力開発のプログラムを取り入れて、異業種の方々と勉強会を始めた。さらに、妻との出逢いもこの頃である。5周年のパーティーを師匠と関わりのある多くOBの方々と祝い、7年目の8月16日の大文字の送り火の日に、その日の売上が、目標の30万円(コーヒー1杯270円の時代)を突破した。皆で大喜びをしたが、その1週間後に家族思いで子煩悩な師匠は、自分の子供たちをプールに連れて行って遊ばせ、自宅に戻ったあと倒れ、帰らぬ人となった・・・

 

その後、私は結婚、独立へと向かうが、書くのも読むのも大変だ(笑)今回はこの辺で・・・

 

 

 京都での20代、辛いことがあると大阪や和歌山に出かけ、海を眺めていた私。あんなに美しい海のある沖縄に、なんで素直に帰らなかったのだろうか・・・ ただ、今、言えることは『その時に出逢った人々を大切にした結果が、今ここに実っている』のかも知れない・・・

 

先日、大晦日の紅白歌合戦で紅組の島津亜矢の唄う『帰らんちゃよか』を初めて聴いたけど、良かったな~ 久々に歌に入り込んだ~ 重なるな~ 若い頃の日々に・・・

 

 

 

 

 

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コメント: 4
  • #1

    律子 (金曜日, 22 1月 2016 09:50)

    「若い時の苦労は買ってもせよ」っていいます。それが今に繋がっているんですね(*^^)v
    私は、結婚するまで親とも離れたことがなくやっと第一子が生まれ母親の気持ちが少しわかった頃母が57歳で急死して、事あるごとに寂しく生きてきました。大して人様に話すようなことはありません。友サンタさんにはたくさんの語れる歴史があり、なんかうらやましいです(*´ω`)還暦を目の前にこれからも平凡に生きて行ければいいなぁと思うこの頃です。

  • #2

    ともさん (日曜日, 24 1月 2016 05:00)

    1人ひとりに素晴らしい歴史がありますよ~

  • #3

    きたさん (月曜日, 22 2月 2016 16:22)

    ともさん!!ともさんの歴史に少しだけ触れた感じです。
    そういえば、全然知らない…^^;。
    今度ゆっくりまた語ってください。なんか、「コーヒーとともに」みたいな会とか??

  • #4

    ともさん (火曜日, 23 2月 2016 05:49)

    お~ 昨日こちらでも描いていたことが・・・

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