日本人はどこから来たのか?

 私は若い頃から、ある大学の海洋学部を受験するほど海への憧れをもっている。(碌に勉強しなかったので叶わなかったのだが(笑))

 

すでに、ひと月が経ってしまったが、写真は『海の日』の朝刊の切り抜きである。その前日のニュースにも取り上げられていたので、記憶にある方々も多いと思う。

 

この記事よりも前に、『日本人はどこから来たのか』( 国立科学博物館人類史研究グループ長 海部陽介 文藝春秋)という本が新聞広告が出ていた。それを目にした瞬間に「これは読まなくちゃ!」という直感が働いたのである。

 

71年目の終戦記念日も終わり、世界情勢を見たときに私にとって一番身近な問題は、やはり出身地である沖縄の米軍事基地なのである。何故なら世界を見れば日米安全保障条約、近隣諸国との摩擦、中東の紛争、核兵器、テロetcなどの問題で、ひとたび有事が起きると、日本にある米軍基地の74%が国土の0.6%の面積しかない沖縄にあることに直結してしまうので、多くの身近な命が再び危険にさらされてしまうからなのだ。

 

現人類(ホモ・サピエンス)の発祥の地がアフリカであることは殆どの人が知っていることであろう。その我々の祖先が約5万年前にアフリカを出て世界中に(あらゆる環境に適応するために容姿や肌の色を変えながら)大移動を始め、そして東を目指した祖先は3万8千年~3万年前に日本に到達したという。そのルートが3つ有り、ひとつは対馬ルートでいちばん早く到達したという、いちばん遅いのは北海道ルートで当時はシベリアと陸続きだったらしい。そして、もうひとつは沖縄ルートがあるのだが、これが海洋航海術の未熟な当時の人類にとっていちばん困難であった。そこで、新聞記事にある航海の検証プロジェクトが結成されたようだ。

 

新聞の画像やニュースの動画を観ると、まるで少年の夏休みの冒険のような笑えるバカげたプロジェクトを学者達が真剣に取り組んでいる姿だが、私は心の底からエールを贈っている!!!

 

種の保存だけでは満足できない人類は、どこの国にも神話などスピリチュアルな伝説があり愛国心を持っていると思う。そして、学問、科学技術、宗教、スポーツなどで他国や他民族に勝ることを目標として文明を発展させてきた。勿論、それが人類の進歩進化に大きく貢献してきたのは間違いない。しかし、それがエスカレートして差別になると争いが起き命を奪う戦争に発展してきたのであろう・・・

 

ならば、数万年前にアフリカの地を出て世界中を旅した人類の子孫はみんな血縁で繋がり優劣などないと、地球規模で捉える事ができれば何かが変わり始める気がするのだが・・・

 

本のタイトルを目にしたときから、アフリカから命を繋ぎながら日本に到達してきた人類を思い描き、わくわくしながら本を読み進めていった。そして、あとがきに著者の思いが私の常日ごろから持ち続けていた思いと共感する文章に到達したのだが、この本を読みたい方々のためにも、その内容をここに抜粋することは控えることにする・・・

 

タイトルだけで、この本に飛び付いたのは、私のルーツが沖縄にあるからだろうし、(宮崎にもあるようだから、一方では対馬ルートからの祖先もあるのだろう)人類発祥の地アフリカから沖縄に行きつくまでの何万年もの命の繋がりの旅を考えるとワクワクするし、これから先の何万年の命の繋がりがどのようになっていくのかと思い描いてもワクワクする。その為にも不毛な戦争を辞めて、破壊の進んでいる地球環境の改善に世界の人々が真剣に取り組んで欲しいものだと、終戦記念日やお盆を迎え、そして送りながら思う日々である・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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